『トータルウォー:メディーバル3』Q&A Part 1
諜報システム
『トータルウォー:メディーバル3』における私たちの目標のひとつは、“すべての要素をマップ上で表現する”ことです。個別のパネル画面やフルスクリーンのUIを増やしすぎるのではなく、キャンペーンマップ上で必要な情報を確認できるようにする、という考え方です。
『Total War: THREE KINGDOMS』では、諜報周りの機能が大きく進化し、プレイヤーが他勢力の内部事情を垣間見ることができる感覚を再現できました。単にスパイをマップの各地へ送り込んで工作活動を行うだけではなく、敵勢力の活動の裏側を盗み見て、そこから情報を得る。そんな体験ができるようになりました。本作ではこの仕組みをさらに発展させ、AIの意思決定や行動を、諜報を通じてプレイヤーが把握できるようなシステム作りを考えています。
『THREE KINGDOMS』と『メディーバル3』:それぞれの徴兵システム
『Total War: THREE KINGDOMS』の徴兵システムは、当時としてはかなり大胆な試みでした。一方で、プレイヤーの皆さんからいくつかの課題も指摘されていたことは理解しています。具体的には、次のような点です。
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・武将のタイプ(いわゆる「ユニットの色」)によって、徴兵にかなり厳しい制限があった
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・武将は常に自身の従者部隊と軍隊に紐づいていた
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・武将が死亡すると、その従者部隊が失われてしまう場合があった
ただし、こうした制限をそのまま引き継ぐ予定はありませんのでご安心ください。この点については、以前の投稿でも『トータルウォー:メディーバル3』におけるシステム設計の方針と、その意図を少し詳しく説明していますので、ぜひそちらもご確認ください。
また、近いうちに追加情報も公開する予定です。現在は時代考証のコンサルタントと協力しながらユニットデザインを進めており、ユニットや徴兵の仕組みについても、今後数週間のうちに詳しく紹介する予定です。
Q&A
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1. キャンペーンは終了年以降もプレイできますか?いわゆる「全拠点制覇」は可能ですか?
現時点では、キャンペーンを強制的に終了させる固定の終了年を設ける予定はありません。ただし、ある時点で新しいイベントや展開が発生しなくなり、キャンペーン全体の物語的な流れがひと区切りつくタイミングは訪れるでしょう。
「全拠点制覇」については以前からお伝えしている通り、『Total War』シリーズの醍醐味のひとつであり、『トータルウォー:メディーバル3』でも引き続き可能です。とはいえ、キャンペーンの基本的な進め方として想定しているわけではなく、これまでの作品より難しくなる可能性はあります。 -
2. 技術の「オスモーシス(浸透)」システムはどの程度の規模になりますか?
現在検討しているのは、技術を「発明」と「応用」に分ける仕組みです。発明は、交易や戦闘などを通じて勢力間に広がっていく重要な概念や技術です。一方、応用は、その発明をどのように活用するかを学ぶ段階を指します。これは従来の『Total War』シリーズにおける研究システムに近いものになるでしょう。
例えば交易を通じて、「紡績車」という発明を知ることがあるかもしれません。その概念を知ることで、「大学」などの機関でその理解を深める研究が可能になります。その結果として、新たな建物の解禁(仕立て職人の工房など)、建物アップグレード(踏み木式織機など)、さらには装備の改良(パッド入りチュニックなど)といったゲーム内の恩恵が受けられるようになります。 -
3. 中世の物質文化(装備・生活など)は、どのような資料を参考にしていますか?
特定の資料に依拠しているわけではなく、地域、時代、テーマによって参考資料は異なります。例えば現在、あるデザイナーが神聖ローマ帝国のユニット構成を調査しており、参考資料としていくつかの文献を使用しています。
Goll, Matthias. Iron Documents: Interdisciplinary Studies on the Technology of late medieval European plate armour production between 1350 and 1500, 2014.
Nowakowski, Andrzej. Arms and Armour: In the Medieval Teutonic Order's State in Prussia, 1994.
Thordeman, Bengt. Armour from the Battle of Wisby 1361 Volume 1, 1939.
全体的な参考資料としては、https://manuscriptminiatures.com/のようなサイトも大いに役立てています。 -
4. 極めて結束の固い部隊(例:パイク兵や長柄武器兵)に対して突撃した場合、突撃が止められたり勢いが削がれることはありますか?
そのような挙動を想定しています。たとえば「散開」陣形は、突撃に対して弱くなりやすい一方で、「衝撃に備える」といった防御行動を取っている部隊は、突撃に対してより強くなります。
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5. (地域ごとの従者部隊システムについて)マムルークやグラームなど、他の地域の兵士の徴兵システムはどのような形になるのでしょうか?
この点については、近いうちにユニットの徴兵や構成について詳しく解説する情報を公開する予定ですが、たとえば、マムルークはユニット徴兵が「文化」に紐づいた分かりやすい例になるでしょう。これまでのシリーズ作品(例:『Total War: Rome II』)では、特定の地域に結びついた徴兵オプションが存在していました。『トータルウォー:メディーバル3』では、一部の徴兵オプションが文化に基づいた仕組みになります。大きな違いは、その文化がマップ間で移動したり拡散する可能性があるという点です。たとえば、交易路、外交関係、国境を越えた移住、イベントなどによって、あなたの領域内に特定の文化が大きく流入した場合、その文化に属するユニットを徴兵できるようになるシステムを用意する予定です。
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6. 地域(リージョン)システムはどの程度まで細かく作り込まれる予定ですか?
この場で簡単に答えるには、少し大きなテーマの質問ですね。
ただし、『Total War: THREE KINGDOMS』のような過去作品と比べて、地域に紐づく資源や要素の数を単純に増やす方向は予定していません。
その代わりに、戦略的な奥深さをより際立たせることを重視しています。たとえば、人口や経済といった要素を「目に見える資源」として扱うことは、その実現の大きな一歩となるでしょう。こうした要素があることで、プレイヤーが活用できる新しい機会や、乗り越えるべき課題がさまざまな形で生まれてくるからです。
また、これまでの作品以上に地域そのものに活気や個性を持たせることも目指しています。また、プレイヤーが自分の地域をカスタマイズしたり、影響を及ぼす方法も増える予定です。しかし同時に、シリーズ作品で時折発生してしまう「戦術パズル」──「この建物を建設すると収入は増えるが公共秩序が下がるので、先に別の建物を建てないといけない…」といった状況──の要素を減らしたいとも考えています。 -
7. 各地域には、どれくらいの種類のユニットが実装される予定ですか?
この点については、近日、より詳しく紹介する予定です。現段階で大まかに言うと、地域で徴兵できるユニットは、その地域のインフラ状況(従来の『Total War』シリーズ同様、騎兵を中心とした地域は発達した厩舎などが必要)、プレイヤーが操作している勢力、その地域に存在する文化、その地域に存在する身分階層(エステート)や人口階層、そしてその規模などといった要素によって決まります。
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8. 領主や公爵領、伯爵領が力をつけて、独立した一大勢力へと成長することはありますか?
また、自勢力の中で新たな支配王家になることや、独立して別勢力になることはありますか?勢力内で力を持った封臣が、より大きな自治権や正統性を獲得し、独立した勢力として分離するという展開は、強力な封臣にとってごく自然な流れのひとつになるでしょう。もちろん、その逆のケースもあります。外交関係にある外部の封臣を、自国の領域へ統合していくことも可能になる予定です。 また、各領域(王国や国家)には複数の王朝が存在するシステムを想定しています。これらは、その領域内で力を持つ有力な家系(あるいは国境を越えて影響力を持つ家系)を表しています。それに加えて、過去作の“時の人(Man of the Hour)”のような出世イベントを経て、新しい王朝が台頭することもあります。
宗教システム
当時の宗教をできるだけ歴史に即した形で再現することも、本作の大きな目標のひとつです。これにはキリスト教とイスラム教の両方が含まれます。『トータルウォー:メディーバル3』では、過去のいくつかの作品よりもさらに歴史的な再現性を高めることを目指しており、当時大きな影響力を持っていた宗教をより深みをもって描くことは、その重要な要素のひとつとなります。 言うまでもありませんが、特定の宗教を優遇する意図はありません。どちらの側にも魅力的なゲームプレイ要素や独自の特徴があり、さまざまな物語や戦略的な判断が生まれる余地があります。もちろん、私たちの作品の一番大きなテーマは「争い」です。しかし『Total War』の魅力のひとつは、対立するさまざまな立場や価値観を理解し、それぞれの視点から歴史を追体験できることにあります。歴史はときに暴力的で残酷なものでもあります。それでも私たちは、歴史戦略ゲームとは、そうした時代を生き生きと再現し、人類の歴史におけるその貢献を称え、そこから学び、そして私たちに新たなインスピレーションを与えてくれるものだと考えています。
封建制度
最近、『トータルウォー:メディーバル3』において神聖ローマ帝国をどのように表現するのかという議論がありました(詳しくはこちらの記事をご覧ください)。ある意味では、ゲーム序盤におけるフランスもこれとよく似た状況にあります。先述の記事の言葉を借りるなら、フランスはゲーム序盤では「外部の封臣」が多く存在している状態です。そしてゲームが進むにつれて、徐々に中央集権化が進み、王権が直接支配する領地が増えていくとともに、外部の封臣が内部の封臣へと取り込まれていくようになります。 封建制度を扱う以上、私たちは当然ながら多層的な統治構造をしっかり再現したいと考えています。そこから生まれるゲームプレイ(例えば軍事組織、政治、外交、経済など)も重要な要素になります。ただし、それを『Total War』らしい形で表現することが大切です。 以前にも触れましたが、私たちは史実に忠実でありながら、それを『Total War』のゲームプレイの中でどう機能させるかを検討しています。たとえば、ある封臣(外部・内部を問わず)があなたの勢力に属していながら、別の王国に税を納めているといった関係性も、とても面白い仕組みになるかもしれません…
兵の補充
近年のシリーズ作品における補充システムは、兵站に関する複雑な操作や手間を大きく軽減する役割を果たしてきました。そのため、『Total War: Medieval 2』のような、各ユニットを適切な場所へ戻して兵を補充しなければならないシステムを引き継ぐ予定はありません。 一方で、近年の作品における自動補充システムおよびバランス調整は、兵站という要素をほとんど意識しなくてもよい状態になっていました。その結果、戦闘→拠点を占領→全回復(補充)→進軍といったループが生まれてしまっています。『トータルウォー:メディーバル3』では、これを避けたいと考えています。 そのため、現時点での補充システムに関する方針は次の通りとなります: 兵の補充は専用の行動/スタンスとして実行可能にする この補充行動には、軍需物資や資金などを消費します(コストや補充量は、その地域が自領・占領地・同盟領・敵地のいずれかによって変動)。 補充中は軍勢の移動能力が低下します。 補充された兵力のマップ上での移動はなし(マップの視覚的な煩雑さを避けるため)。 地域徴収兵(レヴィー)の補充には、その地域に十分な人員が存在する必要があります。 私たちは、戦力を失った軍勢が生き延びるために戦う緊張感や、準備不足の戦争がもたらす資源不足の厳しさといった、前作からのプレイ感覚を引き継ぎたいと考えています。 あるいは、防衛を重ねながら侵攻してくる敵を徐々に消耗させていく感覚も重要にしたいと考えています。ただし、前作のように過度に煩雑な補充作業は引き継がずに。 私たちは、この補充システムによって絶妙なバランスが取れたゲームプレイを実現できると考えています。